世界の水事情を探る旅、第四回目は南東ヨーロッパのバルカン半島中西部の内陸に位置する「セルビア共和国」(旧セルビア・モンテネグロ) のお水事情です。
今回はセルビア共和国の主都ベオグラードに移住し半年。水沼さん(仮名)30代女性にお話をきいてきました。
個人的にセルビアとはどんな国かのイメージがあまりなかったので色々と聞かせて頂きました。
セルビアのお水の事情の前になぜ、日本からセルビアに移住をされたか。セルビアはどんな国なのかを少しお聞きしました。
—まず、セルビアのベオグラードに住み始めて半年ということですがその経緯を教えてください
セルビア人と交際していたのですが、結婚して一緒に住むために日本から移住しました。
—旦那様が日本で働かれていたのですか?
夫はセルビアで働いていましたが、日本にいる時に出会いました。遠距離恋愛ですね。
—遠距恋愛だったんですね。水沼さんはご結婚前もともとセルビアに行かれたり海外とか良くいかれてたりしたんですか?
海外留学は以前イギリスに8ヶ月ほど滞在していたことがあります。セルビアのことをよく知るようになったのは、夫がきっかけですが、ベオグラードは2018年に一度旅行でも訪れました。素晴らしい場所だと思いましたし、自分にあっていると感じて、いつかここに住めたらなとその時思いました。
—1度行かれて、住めたらなという街だったんですね!なんかよかったです。
—まだ半年、もう半年?セルビアのベオグラードには慣れました?住んでみてどんな街でしょうか?旦那さまと探索とかされました?
ベオグラードは歴史のある街で、ヨーロッパ最古の都市のひとつとしても知られています。
食文化も豊かで、セルビアは知られざる美食の国だと思います。
そして人がとても優しいのが一番の魅力かもしれませんね。インフラは整っていないところもありますが、ちょっと不便なところも含めて楽しいです。
街並みとしては、共産主義時代のミニマムな建築や、古い装飾的な建物、グラフィティが混沌として独特の魅力があります。
探索、というのではないですが、街歩きは好きですね。
もともと軍事的な要塞であった「カレメグダン」は今は公園として、カップルが集うデートスポットになっています。
夕暮れを眺めてゆっくり過ごす方が多くいます。あとはセルビア正教がこちらのメインの宗教ですが、「サヴァ大聖堂」という場所が観光スポットとして有名です。
セルビアにはサヴァ川とドナウ川が流れていますが、サヴァ川には中洲があり、「アダ・ツィガンリヤ」と呼ばれ、ここも人気のビーチになっています。「ベオグラードの水道局にも供給され、市の水源を担っている。」そうです。
共産主義時代の建物が今でも街のいたるところに残っています。
美しい夕焼けを楽しむことができる人気のデートスポットです。
世界でも最大級の正教会の大聖堂ですが、実は未完成です。セルビアのサグラダ・ファミリアとでも言いましょうか…
—素敵な街並みですね~。色々歴史に触れられそうな街ですね。街並みなどお聞きできたところで、お水の質問に入っていきたいと思います。
—セルビアでは飲み水はどのように確保していますか?
セルビアの飲み水ですが、水道水を使っています。もちろんミネラルウォーターも販売されていますが、健康意識の高い人が買うという感じかな、思います。(外出時にはよく買いますが)
(水沼さんの地域では)水道水で事足りるのでミネラルウォーターは生活必需品という感じではないですね。
—水道水は浄水器とか使わずそのまま飲む感じですか?
そうですね。浄水器も売られているのですが、そのまま飲んでまったく差し支えないと思います。
それから、この国の水の特徴なのか、蛇口から出した時の水がかなり濁っています。
少し経つと透明になります。最初はびっくりしましたが、水質は問題ないです。
ほんとだ。だいぶ最初は濁っていますね。
—セルビアの水は基本硬水だと思うのですが、おいしく飲めます?
特に違和感なく飲めますね。おととい久しぶりに軟水を買って飲んでみましたが、個人的には硬水の飲みごたえがある感じが好きなので、水道水も美味しく飲んでいます。
水がおいしく飲めるって暮らす上で大きいですね!
水道料金を色んな国に住む方に聞いているのですがセルビアではどのくらいでしょうか?
1000l = 56.63ディナール(飲み水など)
1000l = 22.89ディナール(下水)
1000l =合計79.52ディナール です。
集合住宅の場合、セントラルヒーティングの暖房代と一緒になっているので、水道費単独で払うことはほとんどないのですが、3人暮らしの我が家では、だいたい400ディナール以下です。
※セルビアのベオグラードの水道水は水沼さんがインタビューで語ってくれたように普通に浄水器なしで飲むことが出来る様です。後日談で情報を頂き水沼さんのご主人曰く、他の地域では水質の問題がある地域もあるとのことでした。ですので観光等に行った時はミネラルウォーター等を購入する事をおすすめします。
—水沼さんは水道水を飲まれているとのことでしたが現地でよく飲まれているミネラルウォーターのメーカーと相場を教えてください
「ROSA」「KNJAZ MILOS」「Prolom Voda」「aqua viva」「VRNJCI」「Mg Mivela」などですね。
500ml ペットボトルで40ディナールから70ディナール程度。スーパーだと40ディナール、日本のキヨスクのような場所だと同じ商品でも70ディナール程度です。
「Mg mivela」は炭酸入り、微炭酸、炭酸なしの3種類あります。
マグネシウム含有量が売りですが、硬度は1,400を超える超硬水です。
お安いですね。「Mg mivela」パッケージかわいい。コントレックス並みの硬度ですね。日本でも人気出そうな気がする。
—ヨーロッパ諸国ではレストランやホテルでは水は有料が多いようですがセルビアでも有料ですか?
そうですね、レストランではミネラルウォーターがメニューにあります。炭酸なし、ありの両方置いているところが多いです。炭酸入りだと「KNJAZ MILOS」というメーカーのものが多く提供されています。ホテルでも同様だと思います。
一方ケーキ屋さん、ドーナツ屋さんみたいなところで、イートインできる場合、お水が欲しいと尋ねると水道水が無料で出てきます。
—水道水が無料で出てくるお店もあるのですね!ありがとうございます。
—日本だと水を飲む方法の一つとしてウォーターサーバーという選択肢もあるのですがセルビアでは使われていますか?
家庭用ではほとんど使われていないのではないかと思います。これまで数名のご自宅に招かれたことがありますが、どの家もウォーターサーバーは使っていませんでした。
先日近所の図書館施設で、サーバーが設置されているのをガラス越しに見つけました。
設置されている場所は、職員向けのエリアだったので、オフィス向けの需要はあるのかなと思います。
また数日前、偶然サーバーのボトル運搬をしている現場に出くわしたのですが(la fantanaという会社)、こちらもオフィス向けなのではないかと思います。
ウォーターサーバー自体の料金が1.200〜16.500ディナール(購入価格)。ボトルの料金が19リットルで1本300ディナール(こちらは宅配してくれる)のようです。
<水沼さんの旦那様情報>
「aqualineという会社はZrenjaninというセルビアのヴォイヴォディナの地域にあるのですが、この地方は水質の問題があるそうで、ウォーターサーバーの需要があるみたいですね。こちらも一般家庭向けでは無いようですが」
とのコメントを頂きました。
ありがとうございます。宅配サービスもあるのですね。大体のお水についてお聞きしたい事が聞けました。
—そういえば、めちゃくちゃ関係ない質問なのですが、セルビアには美人とイケメンが多い国という情報を多く見かけたのですが多いですか?(笑)
美人とイケメンが多いと思われているんですね(笑)
—はい。検索サイトで下調べをしている時「セルビア」と入力すると「美人」と候補がでてきまして
平均身長は高いと思います。女性でも180cmくらいの人が結構いますし、夫の身長は185cmですがセルビアでは普通です。
いろんな民族が混じりあっているので、髪の色も目の色も結構バラバラですね。街中できれいな人に出くわすことも多いですが、他の国と比べて美人が多いのかはよくわかりませんが(笑)
—高身長ですね!(料理とか関係あるのかな?)最初に「セルビアは知られざる美食の国」と言われていましたが、食べ物とか何が主食なんですか?
セルビアは内陸国なので、肉がメインですね。
主食はパンが多いですが、意外にもお米を使った料理があります。例えば代表的な家庭料理に「サルマ」というのがあるんですが、ロールキャベツのような感じですが、中にはひき肉とお米が入っていたりします。
全体的にはシンプルだけど洗練された味わいのお料理が多いですね。オーブンでじっくり時間をかけて焼いた料理も多いかな、と思います。
おいしそう。
たべてみたい・・
—おいしそう!食事は日本人でもお口に合う感じです?
そうですね、あまりスパイスを使ったりしないのでマイルドですし、日本人の方でもお口に合うかなとは思います。
マイルドいいですねー。
—あと、先ほどの美人が多い件ですがネットの情報に惑わされないようにします(笑)いや実際に綺麗な方も沢山いらっしゃるんでしょうし、我々もネットメディアではあるのですが。
色々沢山お話お聞かせ頂き、セルビア行ってみたくなりました。今日は貴重なお時間ありがとうございました!
こちらこそ、おかげ様で楽しくお話しさせていただきました。
セルビアは物価も安くて親日で、本当良いところです。ぜひ機会があればお越しください。(残念ながら日本にはセルビア料理のお店がないですが、東京に隣国のクロアチア料理のお店がありますのでよかったら行ってみてください)
セルビア共和国(ベオグラード)は街並みも雰囲気のある歴史的な建物があり雰囲気がありますね。最後にコメント頂いたとおり物価も安い。親日というのも日本人にとって一度は行ってみてもよい国なのでは?と感じました。今度とりあえずセルビア料理に近いクロアチア料理に行ってみようと思います。
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