世界の水事情を探る企画、今回はヨーロッパのエストニアという国の水事情についてです。
現在、留学の為1年6ヶ月目をエストニアの首都タリンで過ごしている大学院生、水野さん(仮名)34歳女性にインタビューに強力を頂きました。
エストニアのお水お水事情は果たしてどんな感じなんでしょうか。。
お水の話に入る前にエストニアがどんな国かを聞いてみました。
—まずはじめにエストニアのタリンに住まれて 1年6ヶ月ということですがなぜいまエストニアという国に住まれているのかを教えてください。
大学院でIT関係の分野を学ぶためです。
エストニアは電子国家として有名なのでこの国を選びました。
その他に、空気がきれいな場所で暮らしたいと思っていたのでエストニアはその条件にぴったりあてはまっています。
—IT関係の分野は実際学んでみてやはり進化していましたか?
実際に学んでみて技術自体は日本の方が進んでいるのかなというのが正直な印象です。ただ、政府がその技術をスピーディーにどんどん日常に取り入れているので、そこは勢いがあって好きなところです。
—住んでみてエストニア、タリンってどんな町でしたか?
私が住んでいる首都タリンは8つのエリアがあり各々違った街並みが楽しめます。なかでも最も有名な観光スポットはやはり中心地にある世界遺産の旧市街ですね。中世からそのまま残るヨーロッパらしい風景が楽しめます。その他にピリタと呼ばれるビーチが広がる高級エリア、森で囲まれたノッメなどタリンは首都でありながら自然豊かな美しい場所です。
—住み心地はとても良い感じですか?
はい、住んでみて想像以上に良いですね。まず治安がとても良いです。1度も危険を感じたことがありません。それから物価も安いですね。治安と安い物価両方を満たしている国はなかなかないのでとても満足しています。エストニアの人も全体的に控えめで日本人と相性がいいと思います。
—治安良く、物価が安い!非常に魅力的ですね。エストニアでは飲み水をどうやって確保するのが一般的でしょうか?エストニアで住んでいる方の飲み水の確保の方法と、水野さんが普段飲み水をどうしているかを教えてください。
エストニアでは、水道水の原水として、ほとんどの地域で地下水が使われているようです。一方、タリンの大部分のエリアは地表水(主にÜlemiste湖)を使っているようです。
私の周りでは浄水ポットを使ったり、スーパーで買ったりして飲み水を確保している方が多いです。
私自身はあまり気にしない方なので水道水を沸騰させて飲んでいます。
—水も豊かな国なんですね。そのまま飲んでも大丈夫なんでしょうか?
水道水は直接飲もうと思えば飲めます。
実際、英語でのサイトを見てみると多くはエストニアの水は飲めるとされていますし、
エストニアのミネラルウォーターと水道水の質は同じという意見もあります。
エストニアでは、82%の人が水質に満足しているという結果もあります(OECD平均81%)。
ただし、日本のサイトでは飲めるがすすめないというスタンスが多そうです(古い水道管や海川の汚染などのため)。
水道水の質はヨーロッパの他の国よりは良く、日本よりは悪いということかもしれません。
—公園とか街中に水を飲む場所とかはあったりしますか?
あまり見たことがないですね。
水道水を飲むとしたら主にお家で(沸騰させて)ということになりますね。
—水道料金は日本に比べてどうでしょうか。(高い?安い?)
水道料金は非常に安く、私の場合、学生寮では月6ユーロ(約750円)程度、プライベートフラットでも月6ユーロ+温水のセントラルヒーティング3ユーロ程度です。フラットの場合、家賃と合わせて大家さんに支払い、大家さんが供給会社に支払う形が多そうです。
—エストニアいい国ですね(笑)
水道水についての質問続きます。お風呂や食器を洗う時などは水道水を使うと思うのですが困ったエピソードとかありますか?
他のヨーロッパもそうかと思いますがエストニアは日本のようにお風呂にお湯をはって浸かる習慣がありません。基本的にシャワーのみです(私の家もバスタブはなくシャワールームのみです)。
シャワールーム関連はやはり硬水ということで日本ではあまりないトラブルが起きますね。
まず水垢はがつきやすいので排水管が詰まりやすいです。特に私の住んでいるフラットはソ連時代に建てられたかなり古い建物なので排水管自体が古く、掃除をこまめにしないとすぐに水の流れが悪くなります。
それから、髪がかなり痛みますね。硬水は日本人の髪質の合わないとよく言われますが、実際に経験してみて本当にそのとおりだと思います。日本にいた頃はあまり髪にトラブルを抱えたことがなかったのですがこちらに来て3か月ほどでパサパサになってしまいました。
—学校や職場などでウォーターサーバーを見かけたりしたことはありますか?
日本と同じように学校、レストラン、ホテルいたるところで見かけます。ただ自宅で使っているという話は周りであまり聞いたことがありません。
日本のウォーターサーバーはサーバーをレンタルして12Lボトルを宅配してもらう形式が一般的ですが、エストニアではどのようなサービス形態が一般的ですか?
調べたところ、ネット上ではSaku Läteという会社のCoolTouchがエストニアのウォーターサーバーとして紹介されています。エストニアで初めて大きなボトルの飲料水を売り出した会社です。
水はオンライン上で購入し宅配してもらうことができます(料金7.98ユーロ/18.9リットル)。
サーバーは、Saku Läteについてはレンタルのようです。
※7.98ユーロというと日本円に換算して1,000円くらい。日本より少し安いくらいです。
—ミネラルウォーターとかは飲みませんか?エストニアではどんなミネラルウォーターが飲まれているのか教えてほしいです。
evianなど有名なメーカのものはとても身近な印象です。
エストニア産というとVärskaが挙げられます。Värska Vesiという会社が出しているミネラルウォータです。
1973年創業ということでエストニアでは歴史ある会社のようです。
その他にジョージア(アメリカではなく元グルジアの方です)発のBORJOMIも近年シェアを伸ばしているようです。
スーパーには本当にたくさんのミネラルウォーターが並んでいます。
—ミネラルウォーターの料金はいくらくらいで売られているのですか?
Värskaについては1リットルで1ユーロ程度(約125円)です。
BORJOMIは1.5ユーロ(約187円)程度です。
安いものなら0.5ユーロ(約62円)以下のものもあります。
お店よっても値段が違ってフィンランド系列のデパートでは高く、ロシア系列のスーパーは安い傾向にあります(エストニアは外資、特に北欧やロシアの企業が多く進出しています)。
レストランでもお水は基本的に有料です。ミネラルウォーター、炭酸水、フルーツ味の水いろいろと選べてグラス1杯で1ユーロ前後あたりかと思います。
—一般的に飲まれてるミネラルウォーターは、硬水・軟水どちらですか?
硬水ですね
—日本の水は軟水ばかりですが、硬水は飲んで違和感とかないですか?
かなりあります。喉にひっかかるというか重い感じがしますね。
周りの日本人の方もおおむね同じ感想です。味はおいしくないです。
それと関連あるかわかりませんが、こちらではフルーツ味の水も一般的ですね。他のヨーロッパもそうかもしれません。
やはり硬水に関しては美味しくはないと感じる方が多いですね。なるほど、フルーツ味が多いのはそれが関係しているかも?お聞きしたい事だいたいお聞きできました。今回はありがとうございました!
ありがとうございました!
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治安もよく物価も安く水道水の水準も高く確かに日本人に合いそうだし、観光もできそう。エストニアのタリンという街に行ってみたくなりました。